
足白癬とは、ヒトの皮膚に白癬菌がつき、それが増殖することによって起こる皮膚の病気です。どのようにして足白癬になるか、ということは、どのようなところに白癬菌がいて、どのようにしてヒトの皮膚について、どのような条件で白癬菌は皮膚上で増殖するかを明確にする、ということになります。
生まれたての赤ん坊には、当然足白癬はないのですが、成長の過程でなんらかの機会に白癬菌に取り付かれることがあるわけです。 ヒトの白癬の原因菌のカビは、好土性、好獣性、好人性に分けられます。カビの本来の宿主(寄生元)や生息場所によって分類されています。
実際の患者について、たとえば好土性のカビである石膏様小胞子菌による「たむし」は、土の上で遊んだ後や土がついた動物を触ったあとに発病することが知られています。これに対して、足白癬の原因になるカビは、ほとんどが好人性と分類されています。
ヒト以外の動物を本来の宿主とする白癬菌を、好獣性(白癬)菌といいます。その一種について、最近とても興味深い現象が見られました。犬小胞子菌は、もともとイヌのたむしの原因菌です。同じように、猫小胞子菌も存在し、ネコのたむしの原因菌になっています。
これらの菌は70年代あたりから、輸入ぺットについて日本に持ち込まれて広がり、ヒトにも多数のたむし患者を増やす要因になりました。

まず、ネコ同士の感染は、ペットショップであったり、家庭やその近くでのお互いの接触によって起こると考えられます。 ネコの場合の皮膚病は、たむし、つまりはネコの顔やカラダの斑点や脱毛という症状があります。子猫の場合は、症状が顕著に現れます。
このような病変部から皮膚や毛を採取して検査すると、多数の白癬菌が寄生していることがわかります。特に治療をしなくても、成長とともに症状は軽くなり、収まったかのように見えますが、治癒したわけではなく「健康な保菌獣」になっただけで、調べると白癬の原因菌であるカビが検出されます。ネコが治療を受けない限り、この状況は一生続くのです。
白癬の原因菌を保有したまま成長し「健康な保菌獣」となったネコは、病気ではないが病原菌は持っているということで、まわりに菌をばら撒き続けます。保菌しているネコをさわったネコはもちろん、ばら撒かれた菌に触れたネコにも感染していきます。
こうしてこの菌は、ネコの間で保たれているのです。むろん、ネコだけではなくその飼い主も同じ経路で感染し、目に見える「たむし」になる可能性があります。
以下の条件が積み重ねられると、たむしになる可能性があります。従ってネコから白癬菌を受け取ったからといって、すぐにたむしになるわけではありません。
ネコに触る機会が多いほどネコから白癬菌を受け取る機会が増えるため、たむしになりやすいといえます。子猫を抱く機会の多い子供や女性は「たむし」になりやすく、しかもネコを抱き上げたときに触れやすいあごや首、腕などに発症しやすいのです。皮膚科医は、たむしの発症場所や状況から、犬小胞子菌による感染症と推測できます。
犬小胞子菌によるたむしには、独特の症状があります。ヒトに寄生する紅色菌によるたむしは、わりあいと穏やかな症状がでます。 炎症が少なく、一つ一つの病変の中央部に軽い湿疹のような変化や色素沈着が残ります。
これに対して、犬小胞子菌によるヒトのたむしの場合は、強い炎症が出ます。皮膚の赤みが強く、小水疱をつくるのですが、炎症が強いために早い時期に発見することが多いためか、一つ一つの病変が小さく、いくつかちらばってできるのが特徴です。
人に寄生する菌は馴れ合っているため反応が穏やかですが、犬小胞子菌の場合、元々はヒトに寄生する菌ではないため、反応が顕著に出るのです。
人に寄生する菌は馴れ合っているため反応が穏やかですが、犬小胞子菌の場合、元々は人に寄生する菌ではないため、反応が顕著に出るのです。
元々イヌやネコを主な宿主とする犬小胞子菌が偶然ヒトの皮膚についたとしても、ついた人の皮膚に強い免疫学的な排除機構(拒否反応)を多分に刺激し、排除されます。
それに対して、普段人を宿主としていてそのための進化を遂げた紅色菌は、人についても強い拒否反応を引き起こさないため、そこで増殖します。増殖した菌は、さらに新しい宿主へ直接うつる機会も出てきます。
土の中や、動物の皮膚の病変から直接ヒトの皮膚についた白癬菌がそこで増殖して病巣をつくるのと同じように、人の皮膚にいる菌が直接他の人の皮膚につき、新しい病巣をつくることもあります。人の足白癬は、足の患部が直接ほかの人の皮膚に触れる機会はあまりないと思われます。
一度からだの別の部分に白癬(たむし等)ができてそれが足に飛び火することも考えられますが、ほとんどの患者が足白癬から症状が始まっているため、あまり考えにくいです。人のまわりに菌がいて、それが足につき増殖して足白癬を作るのだと考えるのが妥当だと思われます。
居住環境の中の感染源の、主な例

白癬菌患者の患部の皮膚を擦り取って培養基で培養すると、菌の生育が見られます。足白癬の患者から、生活環境中に菌がばらまかれていると考えられます。白癬菌を受け取る可能性が高そうなのは、足白癬患者が触れていると思われる部分に触れる機会だ思われます。
例えば、裸足で多くの人が歩き回るプールや浴室およびその周辺等。実際に、このような場所で床のゴミを集めて分析した結果、白癬菌を見つけたレポートもあります。また、靴下や靴、サンダルなど、はきものを共有することも感染の機会を増やすきっかけになりえます。
足白癬の患者からばらまかれた白癬菌が、どれくらい生きていられるのでしょうか。実際の実験で、足白癬の病変部の表面の皮膚をガラス瓶に入れておくと、皮膚の中の菌は1〜2ヶ月で死滅したといわれています。
白癬菌患者の家庭のゴミからも、そう多くは白癬菌自体は見つからないですし、よほど白癬菌にとっていい条件の場所でなければ、数週間ほどしか生きられないと考えられます。
水虫は自己判断が難しい病気の1つです。
自分では水虫と思っていても、実は違う皮膚病であったり、 また、自覚症状がなく水虫に気づかない場合もあります。
水虫の診断方法は、顕微鏡検査で水虫の原因である菌がみつかるかどうかが、 判断のポイントとなります。
「もしかしたら!?」なんて思っている方、 少しでも不安をお持ちの方は、こちらをご覧下さい。
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