
皮膚は、人間の体の表面をおおう一枚の膜ですが、複雑な構造とはたらきを持つ、体の中で最大の器官です。白癬菌がついて増えるのは、皮膚の最外層のほんの一部分の、ごくうすい層なのです。
表皮の一番外側を覆っている角層の主成分は、ケラチンです。白癬菌は、そのケラチンを自分の栄養とするために、ケラチンを溶かす酵素、ケラチナーゼを持っています。それゆえ、白癬菌は角層に住み着くことができるのです。
表皮は、体の最外層にあって血管を含みませんが、さらにいくつかの層にわかれています。表皮の基礎になるのが「基底層」で、 基底細胞とよばれる一層の細胞で構成されています。表皮のもっとも基礎となるのが基底層で、これは基底細胞と呼ばれる一層の細胞からなります。
基底層にある基底細胞は、さかんに分裂してそのまま基底層に残るものと、基底層よりも上方に位置するようになるものとがあります。基底細胞は、分裂を繰り返すごとに上層にどんどん細胞の層をつくっていきます。
上方にできていく細胞の層は、その中でケラチンという硬いたんぱく質をつくり、ついには最上層でうすいケラチンを主とする小片で構成される「角層」となります。角層は、下から新しい細胞が出来ていくたびに上のほうが剥げ落ちることで、一定の厚みが保たれています。
角層の厚さは、体の部位によって異なります。たとえば、足の裏の角層は最も厚くなっています。爪や毛は、角層が特殊な目的に合うように分化したものです。やはり角層と同じく、ケラチンが主成分です。
表皮には、他の種類の細胞も混じっています。代表的なものを2つ挙げます。メラノサイトは、メラニンという色素を作る細胞です。メラニンは、紫外線を吸収することで核の中の遺伝子を守る働きがあります。皮膚の色の濃淡は、メラニンの量に大きく影響されます。
皮膚の免疫学的な反応の種類は以下の通りになります。
特定の人にゆっくり起こるかぶれ反応は、特定の物質に最初に触れたあとに、身体がそれを「有害なもの」として認識すると起きます。それ以降にまた同じ物質に触れると、ある種の記憶によって強い排除の反応を起こすことがあります。このような反応を、アレルギー性の反応といいます。
皮膚の下にある厚い脂肪の層を、皮下脂肪といいます。皮下脂肪は、保温や外力に対するクッションの働きをするほか、脂肪を燃やすことでエネルギー源となります。皮下の脂肪まで含めて、皮膚は体を守るのにうまく適応するように発達してきています。
真皮は、表皮の下にあります。真皮の中を走る神経は、末端部分でさまざまに分化して、温度や圧力、痛み、かゆみ等を感じるようになっています。皮膚は弾力性を持ち、引っ張りの力に強く避けにくい構造を持っていて、内臓を守っています。
表皮につながる管の末端には、汗をつくる汗腺が真皮の中にのびています。また、毛をつくる毛根部がやはり真皮のほうに延び、 その一部に脂肪を出す腺がついています。汗や脂肪、また体内の一部の物質も、この管から排出されます。
爪は、指先の角層が変形したものです。白癬菌は、角層に住み着くことができるので、やはり爪も白癬菌の攻撃対象になり得ます。
また、毛は表皮の中にななめに刺さったようなかたちで生えています。その根元を、表皮細胞に包まれています。全体として、ケラチンのかたまりであると言ってよく、そうなると白癬菌の攻撃目標となり得ます。
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